路面の状態と共に変化する制動距離 | 週末安全運転ワンポイントアドバイス

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「車の機能シリーズ2 ブレーキ編その2」

路面の状態と共に変化する制動距離 2010/04/17

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 週末安全運転ワンポイントアドバイス
 
 「車の機能シリーズ2 ブレーキ編その2」
                      Vol.22-2 2010/4/17
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~ 路面の状態と共に変化する制動距離 ~ 

先週もお伝えしましたが、車は路面とタイヤの摩擦で止まります。

車の運転で制動が難しいのは、路面の状況が一様で無いことが原因です。

乾いた路面であれば、制動距離に大きな違いは生じませんが、
路面が濡れた状態になると話は大きく違ってきます。

映像1をご覧下さい。

 
映像1

シミュレーションソフトで時速50Kmから急制動を行ったものです。

路面の摩擦係数を次の値で設定しました。

上段の車両 0.7 : 乾いた路面
中段の車両 0.4 : 濡れた路面
下段の車両 0.2 : 圧雪路

それぞれの制動距離は次の通りです。

摩擦係数 : 制動距離
0.7 : 14.2m
0.4 : 24.6m
0.2 : 49.4m

圧雪路面が滑るのは当たり前としても、濡れた路面の制動距離が
乾いた路面に比べ、約7割り増しといのはいうのは本当に怖いですね!

運転をする時は、

 “制動距離の違いを知っていること”、

そして

 “制動距離の違いを意識して運転すること”

がとても重要です。

ところで、先週お伝えしたABSについて、

「タイヤをロックさせない機能というのであれば、
濡れた路面ではスリップをしないから制動距離が短くなるのでは?」

という質問を受けたことがあります。

みなさんはどちらだと思いますか?

答えはNO!で、短くはならないのです。

ABSはタイヤが滑りそうになった時に、タイヤをロックさせない機能ですから
タイヤがロックした状態にくらべ制動距離は多少長くなる場合もあります。

ABSはあくまでタイヤをロックさせないものであって、
決して制動距離を縮めるものではないのです。

今日のワンポイントは、“ABSの過信と誤解には十分注意が必要”です。

先週は間に合いませんでしたが、追突を回避するために急制動を
行った事例がありますのでご覧くさい。

映像2

停止直前まで止まり切れない様に見えますが、
最後にガツンと言う感じで停止しています。

見ているだけでも手に汗をかきそうな事例ですね!

明日は、制動距離と密接な関係にある車間距離についてお伝えします。

                        Vol.22-2 end

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