後方からの衝突は? | 週末安全運転ワンポイントアドバイス

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「ドライブレコーダーが苦手とする分野」

後方からの衝突は? 2010/10/17

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 週末安全運転ワンポイントアドバイス
 
 「ドライブレコーダーが苦手とする分野」
                       Vol.42-3 2010/10/17
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~ 後方からの衝突は? ~

昨日は、ドライブレコーダーの死角で発生する事故についてお伝えしました。

今日はさらに、一番の死角である後方についてお話します。

一番の死角“後方”、ドライバーにとっても確認の困難な“後方”で
発生する事故と言えばやはり“追突”です。

以前にも追突についてはお伝えしました。

一見、前方を撮影しているドライブレコーダーは後方からの追突には
対応できないではないかと思われがちです。

次の映像をご覧下さい。



追突映像

この映像は、典型的な玉突き事故の様子を記録しています。

止まりかけていた車両に後続車がかなり早いスピードで追突し、
その勢いで押し出され、前方の車両に衝突したことが鮮明に記録されています。

この場合、自分の無過失を主張するために大切なのは、

“後方車両に対して急ブレーキをかけさせるような行為を行っていないこと”

を証明することです。

このことは、映像から一目瞭然で証明することができます。

自分に過失がないことがしっかりと記録されているからです。

実際、この映像でドライブレコーダー搭載車の無過失が証明できました。

昨日のワンポイントアドバイスの通り、相手車両が映っていなくても
ドライブレコーダーが十分に活用されるケースと言えます。

 

ところで「苦手」というタイトルから見た場合、何が一番苦手なのか?

実は、ナンバーが映らないということです。

信号待ちなど、自車が停止していて前車と距離が近いいるケースなどでは
ナンバーの数字4桁を読取ることは可能です

しかし、走行中のナンバーを撮影することはかなり難しいといえます。

一般的に言えば、個人ユーザー向けのドライブレコーダーの多くが
30万画素クラスのCCD及びCMOSカメラで記録を行っています。

私自身が試したことですが、40~50km/h程度で走行中の対向車の
ナンバーの数字4桁を読み取るためには400万画素程度のカメラを必要とします。

それでも全てを読み取れると言うものではありません。

車両は走行中、常に細かい振動をしており、更に道路状況によっても
数字がぶれて読み取ることができないと言った状況に追い込まれます。

この「ナンバーが映らない」ことで一番問題となるのは当て逃げです。

追い抜き様の接触などで走り去るといった事故は後を絶ちません。

こんな時、「ナンバーが映っていたら…」という話を良く耳にします。

次の映像は間一髪、接触に至らなかったケースです。

しかし、当たっていてもおかしくない事例です。



強引な追い抜き

 

ここで今日のワンポイントアドバイスです。

“画像で残らないものは、音で残す!”

もしみなさんが、このような状況に遭遇したら、ナンバーの数字を大声で叫んで下さい!

現在のドライブレコーダーが記録できるのは映像だけではありません。

音声も記録するものが主流となっています。

4桁の数字だけなら、意外と読めるものです。

他にも気付いたことがあったらとにかく叫んで下さい。

覚える必要も書き留める必要も無いので、一人で運転していても可能です。

車種などの特定は映像から可能です。

そこに、数字4桁が分かればかなりの確率で車両の特定が可能です。

現実に当て逃げ事故で、この方法から相手車を特定した方もいらっしゃいます。

このようにドライブレコーダーにも苦手はあります

しかし、それでも工夫でカバーできる部分はあります。

ドライブレコーダーの仕組みを理解して、安全運転にお役立てください。

それではまた来週をお楽しみに!

                        Vol.43-3 end

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