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「雪道での事故 その2」

あなたの車の「駆動輪」をご存知ですか? 2010/11/28

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 週末安全運転ワンポイントアドバイス
 
 「雪道での事故 その2」
                       Vol.48-3 2010/11/28
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~ あなたの車の「駆動輪」をご存知ですか? ~

今日は車を運転される方も、されない方もマメ知識としてお付き合い下さい。

タイトルの質問、あなたは「ハイ」ですか?「イイエ」ですか?

「駆動輪」と言うといかにもメカニカル、ワイルド、男の世界みたいな
感じがしますが、簡単に言うと、回転しているのはどのタイヤですか?
と言う意味です。

えーと、前だったかな…、いや後ろのような気がする…といった
答えがちらほら返って来そうです。

前でも後ろでも良いじゃないか!と言われてしまいそうですが、
こと雪道となるとこれは大きな問題となります。

4輪車の駆動方法を大まかに分けると、
「後輪駆動車」 ・ 「前輪駆動車」 ・ 「4輪駆動車」
という分類になります。

駆動方法
駆動方法

なぜ雪道では駆動輪が重要かというと、スタッドレスタイヤを履いても
滑り止め(タイヤチェーン等)を掛ける場合があるからです。

駆動していないタイヤにチェーンを掛けても意味がありません。

このようなことにならないためにも、
ご自身のお車の駆動輪は是非とも覚えていただきたいものです。

また、前輪駆動車(通称FF)と後輪駆動車(通称FR)では雪道において
駆動形式による走破性能の差が生じるため、気をつけなければなりません。

重要な点は、エンジンの位置と駆動輪の関係です。

特に次のような状況の時に顕著にその違いが現れます。

雪が積もった坂道をバックで上るという状況です。

この状況は慣れない土地へ行楽に行った時などに、
遭遇し得る状況です。

ちょっと想像して下さい。

本線は雪かきがされているけれど、支線は雪が道路を覆っている国道。

うっかり道を一本間違えてしまい、道がどんどん狭くなる。

どこかでUターンできる場所がないかなと進んで行くといつの間にか下り坂。

そして、突然の行き止まり。

当然Uターンできる場所もなく、来た道をバックで戻るしかないという状況…

カーナビがあったとしても、ありえますよね?

実は、これは実際に知人が山道で道を間違え遭遇した実例です。

その時、知人は後輪駆動車に乗っていたため、大変な目に合っています。

前輪駆動車は駆動輪の上にエンジンが位置します。

FF車の場合
坂道での後進(前輪駆動車の場合)

つまり駆動輪である前輪にエンジンの重さが加わり、
スリップが発生しにくいのです。

これに対し、後輪駆動車は駆動輪がエンジンから離れた位置にある為、
後輪にかかる重さが軽くなり、スリップが発生しやすくなります。

FR車の場合
坂道での後進(後輪駆動車の場合)

さて、知人はスタッドレスタイヤをもちろん履いていましたが、
夜間だったために一晩中悪戦苦闘の末脱出できず、翌朝、助けを求め
ワイヤーで引き上げてもらったそうです。

風邪をひくやら何やらで、スキーが台無しになったそうです。

後日談ですが、この後、車を四駆に代えたということです。

車の特性を理解していないと、雪道では意外な落とし穴にはまってしまいます。

この他にも、知っておくと便利な情報をお伝えします。

・雪上での駐車の場合、サイドブレーキは掛けないこと。
(凍り付いてもどらなくなる)

・雪上での駐車の場合、ワイパーブレードは全て立てておくこと。
(雪の重さで下がってしまう)

・雪上での駐車の場合、車外に解氷材を用意しておくこと。
(鍵穴が凍りついてしまうので車外に解氷剤があると便利!)

・ラジエーターのクーラント(冷却液)の濃度を最適な状態にすること。

・スタッドレスでもチェーンなどの滑り止めを用意すること。
(あった方が安心!)

この他にも、車内ではブランケットといった保温用品も必需品です!

さらに、特殊なところではディーゼルエンジンの軽油は都市部と
寒冷地では“耐寒温度”が違っているので注意が必要です。

極端な場合、エンジンの燃料噴射ポンプの中で軽油が凍ってしまい、
エンジンがかからなくなる場合もあります。

対策としては、満タンで出発せず、寒冷地に入ったらそこで
必ず地元の軽油を入れることです。

これで燃料の凍結は防げます。

ガソリン車から初めて乗り換えた方は注意が必要です。

本日のワンポイントアドバイスです。

“雪道の危険性を知り、何が起きても大丈夫な準備が大切”

本当に日も押し詰まってきましたが、安全運転でお過ごし下さい。

それでは来週をお楽しみに!

                        Vol.48-3 end

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