「車の機能編シリーズ7 前照灯編」
前照灯の基本はロービーム?ハイビーム?! 2010/05/29
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週末安全運転ワンポイントアドバイス
「車の機能編シリーズ7 前照灯編」
Vol.27-2 2010/5/29
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~ 前照灯の基本はロービーム?ハイビーム? ~
本日のテーマは、前照灯です。
みなさんの中には夜間運転は嫌い、又は得意で無いと言う方も
いらっしゃるのではないでしょうか?
また、運転時間が同じでも、昼間に比べると夜間は疲労の度合いが違います。
さらに、昼間であれば簡単に発見できる障害物も、夜間では回避できるギリギリまで
視認できないということが良くあります。
つまり、夜間の走行は昼間の数倍の緊張を強いられることになります。
この夜間運転の、唯一の味方が前照灯ですが、昼から夜の切替り時など薄暮の
時間帯は事故が多いという話を聞いたことがありませんか?
ちょっと古いデータですが、平成11年度に発生した
全人身事故850,363件のうち、時間帯別に多い順から、
16~18時 127,984件
8~10時 115,267件
14~16時 103,492件
18~20時 100,621件
となります。
やはり、統計からも薄暮と言われる時間帯の事故が多いことが分かります。
(通勤時間と連動していることもあります)
この時間帯の初期は、前照灯を点灯しなくても比較的走行が可能で
スモールライトを点灯した状態で走行する方も多いのではないでしょうか?
ここでいきなりですが、今日のワンポイントアドバイスです。
“事故予防のために、早めに前照灯を点灯する!”
前照灯は、夜間の視界の確保が第一優先事項ですが、
他方、ご自身の車両の存在を周囲に知らせる重要な役目もあります。
見通しの悪い交差点などで、交差道路から進入してくる歩行者や、
自転車、二輪車に対して、路面やカーブミラーの反射光により、
事前に車両の接近を知らせることができます。
このように、いち早く自分の存在を知らせることによって、
事故を未然に防ぐ確率が高くなります。
ところで、前照灯にはロービーム(下向き)とハイビーム(上向き)が
ありますがどうやって使い分けていますか?
走行する時はいつもロービームですと言う方も多いのではないでしょうか?
以前、ハイビームは使ったことがありませんという方もいました。
この使い分けの基本は、道路交通法第52条に規定されています。
52条2項によると、
“(中略)他の車両等と行き違う場合又は他の車両等の直後を進行する
場合において、他の車両等の交通を妨げるおそれがあるときは、
車両等の運転者は、政令で定めるところにより、灯火を消し、
灯火の光度を減ずる等灯火を操作しなければならない。”
とあります。
つまり、前照灯の基本はハイビームであり、状況に応じてロービームと適宜、
切り替えて使いなさいと言っているのです。
えっ!と思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
都市部で走行している場合には常に対向車とすれ違っているため、
ハイビームを使うことが出来ません。
このため、基本はロービームと思い込んでしまっているのです。
実際、免許の更新時の講習テキストにも、
“夜間、道路を通行するときは、前照灯、車幅灯、尾灯などをつけなければ
なりません。昼間でも、トンネルの中や濃い霧の中などで50m(高速道路
では200m)先が見えないような場所を通行するときも同じです。”
“対向車と行き違うときは、前照灯を減光するか、下向きに切り替えなければ
なりません。他の車の直後を通行しているときも同じです。”
とあります。
前照灯は、ハイビームにすると100m先まで照らすことができ、
ロービームだと40m先までしか光が届きません。
従って、50m先の視界を確保するためにはハイビームとなるのです。
以前にもお伝えしましたが、時速60Kmで走行している場合では、
ブレーキを踏んでから停止するまで約40m弱かかることから、
郊外をロービームで走行していると発見、急制動を行っても
回避できない場合があります。
判断が遅れると取り返しがつかない事故につながることから、
ハイビームが使える環境では積極的に使用することをお勧めします。
Vol.27-2 end
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