「車の機能編シリーズ8 空調編」
デフロスターって何? 2010/06/05
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週末安全運転ワンポイントアドバイス
「車の機能編シリーズ8 空調編」
Vol.28-2 2010/6/5
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~ デフロスターって何? ~
梅雨時の運転は、慣れている人でも嫌なものです。
運転操作以外に、安全確認により多くの神経を集中しなければなりません。
雨が降っているだけでも、リスクは格段と高まり、
更に夜間運転となればリスクは計りしれません。
こんな状況の最中、もしフロントウインドが曇ってしまったら
みなさんはどうしますか?
色々な選択肢はありますが、最悪の選択は片手でハンドルを
握りながら片手で窓を拭きつつ運転を続けることです。
交差点で信号待ちをしていると、対向側の車両でドライバーが
一生懸命にフロントウインドをタオルで拭いているのを見たことはありませんか?
私が見たところでは、割と年配のドライバーの方が多いと思います。
また、助手席に同乗者がいる場合、同乗者の方が拭いている光景も見かけます。
話は少し横道にそれますが、何故、ウインドが曇るのでしょうか?
曇りの正体は水蒸気です。
やかんでお湯を沸かしている時に発生する水蒸気と同じものです。
フロントウインドが曇るためには3つの要素が関係します。
それは「車内の温度」と「湿度」、それと、「車外の温度」の3要素により、
曇りが発生するかどうかが決まります。
難しい言葉で言えば、「飽和水蒸気量」によってウインドが
曇るか曇らないかが決まります。
水滴発生のメカニズム
例:気温30度で1立方メートルあたりの飽和水蒸気量は30gであるが、
この状態で気温が20度まで下がると、飽和水蒸気量は17gとなり、
青色の部分が水蒸気として留まることができず、水滴となる。
発生しやすい状況としては、雨が降って蒸々した日に大人数で車に乗り込み、
運転中に寒冷前線の通過などで外気温が下がった時などに曇りが
発生しやすくなります。
つまり、車内の湿度と温度が高い時に、外気温が下がると空気中の水蒸気が
水蒸気のままで留まれず、小さな水滴となりウインドに曇りが発生するのです。
話を元に戻しますが、この時、曇るのがフロントウインドだけなら
まだ良いのですが、実際には曇り始めれば、左右のウインド、
そしてリアウインドも曇ってしまいます。
こうなると、もはやパニック状態に陥ってしまいます。
窓を開ければ一気に解決できますが、雨ではそれも無理です。
そこで、一番頼りになるのがデフロスターとエアコンです。
エアコンは夏の必需品なので説明の必要はありませんが、
“デフロスター”と言う言葉は余り馴染みが無い方も
いらっしゃるのではないでしょうか?
更にもう一つ、覚えて頂きたいのが“内気循環”という言葉です。
最近の乗用車はオートエアコンが装備されているため、
オートに設定したままという方もいらっしゃるのではないでしょうか?
男性は比較的暑がりでエアコンを多用しますが、
反対に女性ドライバーの方はエアコンが苦手という声を良く耳にします。
私自身の車両で恐縮ですが、エアコンのスイッチの配列図をご覧下さい。
スイッチ配列図
図中の赤丸で囲まれたスイッチがデフロスターです。
このスイッチは、フロントウインドの曇りを瞬時に取り去るものです。
機能的に言えば、このスイッチを押すことにより、エアコンがオンになり、
送風先が全てフロントウインドに切り替えられるというスグレモノです。
また、青丸で囲まれたスイッチ(車の中にリサイクルのような矢印)は
内気循環と言います。
これは外気の導入を閉ざし、車内の空気を循環させるものですが、
例えば渋滞で前の車の排気が室内に入るのを防いだりする時に使うものです。
夏場の暑い時に、エアコンの効きを良くする為に使う方も多いと思いますが、
このスイッチが入ったままで使い続けると、曇りが発生する原因になります。
この二つの機能は、予め知っていればとても便利ですが、
車両を乗り換えた直後やレンタカーなどを運転する時には、
予め確認しておかないと運転中に思わぬ事態に遭遇することになります。
今日のワンポイントアドバイスです。
“梅雨時のウインドの曇りはデフロスターを効果的に活用すること!”
明日も梅雨時のワンポイントアドバイスをお伝えしますのでお楽しみに!
Vol.28-2 end
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