カーブの大きさと速度の関係? | 週末安全運転ワンポイントアドバイス

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「車の機能シリーズ3 ハンドル操作編」

カーブの大きさと速度の関係? 2010/04/24

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 週末安全運転ワンポイントアドバイス
 
 「車の機能シリーズ3 ハンドル操作編」
                      Vol.23-2 2010/4/24
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~ カーブの大きさと速度の関係? ~ 

本日は最初からハンドル操作についてお伝えします。

まず、「カーブで曲がり切れない」という現象についてお伝えします。

カーブを曲がり切れずに対向車線に飛び出すという事故は、
カーブが続く山道のような場所で起こると思われがちですが、
実際には市街地でも日常茶飯事的に起きています。

事故の多くは、「ハンドル操作を誤って」という言葉で報道されますが、
実際には速度を出し過ぎ、カーブを曲がり切れず事故に至るケースがほとんどです。

この「曲がり切れない」という現象は、カーブの大きさ(半径)と速度に
一定の関係が存在することによるものです。

ブレーキの項目でもお伝えしましたが、路面と車体を繋いでいるものはタイヤです。

ハンドルを切ると同時にタイヤもハンドルを切った方向に角度を変えていき、
その方向に進もうとします。

ところが、タイヤには前に進もうとする力の他にもう一つ別の力が発生します。

それは「遠心力」です。

この遠心力が、前に進もうとする力を上回ってしまうと、
横滑りが発生してしまいます。

図1参照
図1:遠心力

カーブの半径と曲がれる速度についての関係は、
乾いた路面の場合には次のような速度となります。
(※路面の摩擦抵抗値 0.7)

カーブの半径    曲がれる限界の速度

半径 20m     42Km
半径 40m     60Km
半径 60m     73Km
半径100m     94Km

これが同じ半径でも、路面が濡れた状態だと次のような速度となります。
(※路面の摩擦抵抗値値 0.4)

カーブの半径    曲がれる限界の速度

半径 20m     32Km
半径 40m     45Km
半径 60m     55Km
半径100m     71Km

普段、走り慣れたカーブでは、特に速度を意識していなくても
安全に曲がることが出来ます。

しかし、ひとたび雨が降って路面の状態が変われば、
上記で示した通り、曲がれる限界の速度が変わります。

そして、本人が気づかないまま限界速度を越えているかもしれません。

この時に現れる挙動は大きく分けると次の2種類になります。

・曲がり切れずに外側に膨らんでしまう

・ハンドルを必要以上に切り込んでしまい回転運動を起こす
(例:左カーブならば左回転)

事例1~2をご覧下さい。

事例1

事例2

そしてひとたび、滑り始めてしまえば、止まるまでは車任せとなってしまい、
ドライバーに成すすべはありません。

今回示したようなカーブの半径と速度を覚える必要はありませんが、
ブレーキと同じで、 ハンドル操作も路面の状況によって限界速度が
大きく変わってしまうということを覚えておいて下さい。

また、危険があるカーブには予め下記のような標識があるので、
スピードを落として、安全な速度で進行して下さい。

標識:
標識

さぁ!、今日のワンポイントアドバイスは

 “カーブの半径を示す標識を見かけたら速度を落とすことが肝心”

です。

もちろん、カーブの手前で減速することが前提です。

自分が曲がり切れずに膨らむだけではなく、対向車が飛び出してくることも
あります。

ハンドル操作は、安全な速度で確実に行いましょう!

明日も引き続き、ハンドル操作についてお伝えします。

 

                        Vol.23-2 end

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