「ドライブレコーダーから学ぶ交通安全その2 “スリップ事故”」
スリップ事故の原因は? 2010/07/17
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週末安全運転ワンポイントアドバイス
「ドライブレコーダーから学ぶ交通安全その2 “スリップ事故”」
Vol.33-2 2010/7/17
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~ スリップ事故の原因は? ~
「東京交通新聞」という業界新聞があります。
一般の方はまず、馴染みが無いと思いますが、運輸関係の方に対する情報誌です。
この新聞の中で
「今年は首都高速でのスリップ事故が多発している」
との報告がありました。
報告によると、多くの事故は“雨天の夜間”に発生しており、
さらに“単独事故”が多いという特徴があるそうです。
さらに細かく見ていくと、発生地点の多くはいずれも首都高速の
“カーブ付近”であるということです。
“雨天の夜間”に“カーブ付近”での“単独事故”となれば原因は限られてきます。
“スピードの出し過ぎ”が原因です。
やっぱりとそうかと思われる方も多いと思いますが、
突出したスピードの出しすぎは別としても、そうでないケースも存在します。
首都高速の分岐や合流、急カーブなどを完全に把握している方が
どの位いらっしゃるでしょうか?
私自身、新しく開通した池袋~池尻の区間はまだ走ったことがありません。
首都高速は、ビルの合間をぬって作られており、
突然カーブがきつくなる区間がたくさんあります。
「それまでは何のトラブルもなく走行できていたのにその地点になると突然、
操縦不能となり、側壁に衝突してしまう」といった事態に遭遇してしまう、
そんな箇所がいくつかあります。
新聞によると、首都高速のカーブで事故が多い場所として次の場所が挙げられています。
・4号線新宿上り 参宮橋カーブ
・5号池袋線上り 大曲カーブ
・都心環状線外回り 現座Sカーブ
・4号新宿線下り 代々木Sカーブ
・5号池袋線下り 西台Sカーブ
・1号羽田線下り 天王洲カーブ
・都心環状線外回り 現座Sカーブ(外回りと同じ)
地図をご覧頂くと良く分かりますが、事故多発地点の多くは
直角に近いカーブだということです。
このようなカーブで、雨の日に何気なく前の車両の速度に合わせたまま
カーブに進入すると、次の瞬間、側壁に激突ということになってしまうのです。
「前の車両は曲がり切れたのに、なぜ自分だけが?」
この原因の一つとして、
“雨で濡れた路面の状況は一様ではない”
ということがまず考えられます。
「前の車両は水溜りをたまたま通らず行ったのに皆さんの車はたまたま水溜りに
入ってしまった」とか、「前の車両に対してみなさんの車のタイヤが磨り減って
いたことが原因で、前の車は辛うじて曲がり切れたが、みなさんの車は摩擦力が
足りずにスリップしてしまった」というような様々な原因が考えられます。
スリップ動画:
さらに、心理的な要因として“視界”も関係してきます。
雨が降っている時は必然的に視界が悪くなるため速度を落としがちです。
これに対して、雨の“降り始め”と“上がりばな”はどうしても視界が良いため
スピードを落とすということをおろそかにしている傾向があります。
そのために、限度以上のスピードでカーブに突入してしまうのです。
それでは、今日のワンポイントアドバスです。
“先が見えないカーブは事前に十分に減速すること!”
このようなカーブの手前には必ず、注意を喚起する標識が出ていますので
これも見落とさないことが肝心です。
首都高速を走る機会がある方は今回の地点を頭の片隅にインプットして頂き、
安全運転に役立てていただければ幸いです。
それでは明日は、さらにカーブに潜む落とし穴についてお伝えします。
Vol.33-2 end
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