信頼の原則を証明するには? | 週末安全運転ワンポイントアドバイス

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「ドライブレコーダーから学ぶ交通安全その8 “信頼の原則編”」

信頼の原則を証明するには? 2010/09/12

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 週末安全運転ワンポイントアドバイス
 
 「ドライブレコーダーから学ぶ交通安全その8 “信頼の原則編”」
                       Vol.39-3 2010/9/12
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~ 信頼の原則を証明するには? ~

昨日は、交通社会は“信頼の原則”の上に成り立っているとお伝えしました。

この“信頼の原則”とは余り聞きなれない言葉だと思います。

これは、法律用語ですので馴染みがないのも仕方ありません。

しかしながら、この“信頼の原則”は、交通事故の裁判において
大きな意味を持っています。

元早稲田大学総長で刑事法が専門の西原春夫氏の
「交通事故と信頼の原則」では次のように定義されています。

「行為者がある行為をなすにあたって、被害者あるいは第三者が適切な行動を
 することを信頼することが相当な場合には、たとえその被害者あるいは第三
 者の不適切な行動によって結果が発生したとしても、行為者はそれに対して
 責任を負わない」

法律用語はどうも難しく、読んでいても意味が分かりづらいですね。

重要な点はどこまで“予測責任”と“回避責任”があるかという点です。

昨日の事例「No.2 信号無視」では、

「信号のある交差点では、信号による交通整理に従い走行するものであり、
 赤信号を無視して交差点に進入してくる車両を予測し、回避しなければ
 ならない責任はない」

ということです。

当たり前と言えば当たり前ですが、これが信頼の原則なのです。

ところで、事故が起こると、必ず自分は無過失だと主張される方がいます。

でも実際に、無過失として扱われる事故は数える位しかありません。

例えば、次のような場合などです。

・減速中に後続車両に追突された場合(後続車に対し理由の無い
 急ブレーキを掛けさせるような状況が無い)

・対向車がセンターオーバーで飛び込んで来た場合(前方不注視や
 回避できる余地があるにも関わらず回避しなかった場合は除く)

・交差点での相手の明らかな信号無視(赤進入)

・無人の車両にぶつけられた場合

上記の事例の中で、無人車両への衝突は除き、その他の事例は全て
事故の一部始終が明らかにされなければ、恐らく、無過失とはならない
事例ばかりです。

追突の事例では

「前車が適切なブレーキ操作を行っている証明」

センターオーバーの事例では

「対向車が飛び込んでくるタイミングと回避の余地がなかったことの証明」

信号無視の事例については、

「相手車両が確実に赤信号で交差点に進入した証明」

を示さなければならないのです。

これらの事故は全てもらい事故といえるものですが、
ぶつけられたのに、相手側の過失を証明できなければ無過失にならない
というジレンマがあります。

今日のワンポイントアドバイスです。

“無過失を主張するためには、相手側の過失を証明しなければならない!”

かつて、この手の事故の多くは裁判で争うしか方法がありませんでした。

仮に裁判で争っても、無過失を勝ち取るには膨大な時間と費用を
費やさなければなりません。

こんな時に、付けていて良かったと思うのがドライブレコーダーです。

今回、みなさんにお伝えした事例もドライブレコーダーがあればこそ
再現できたものであり、事故の教訓を共有できるのです。

ここで、本日2つ目のワンポイントアドバイスです。

“ドライブレコーダーはいざという時に本領を発揮する
 第二の保険のような物!”

事故は、突然襲ってきます。

いざという時に、泣き寝入りはしたくないですね!

まだまだ暑い日が続きますが、過労運転にならないように気をつけて下さい。

それではまた来週をお楽しみに!

                        Vol.39-3 end

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