死角? | 週末安全運転ワンポイントアドバイス

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協力-株式会社日本交通事故鑑識研究所

「ドライブレコーダーが苦手とする分野」

死角? 2010/10/16

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 週末安全運転ワンポイントアドバイス
 
 「ドライブレコーダーが苦手とする分野」
                      Vol.43-2 2010/10/16
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~ 死角? ~

先週はドライブレコーダーの問題点と言うべきか「注意点」として
記録された画像の証拠能力についてお伝えしました。

今週は、ドライブレコーダーの苦手とする分野についてお伝えします。

皆さんはドライブレコーダーが着いていれば、万が一、事故が起こった時に
「鬼に金棒」のようなイメージがしませんか?

確かに、ほとんどの事故はドライブレコーダーがあれば、
ある程度の過失判断が可能となります。

しかしながら、ドライブレコーダーが着いていても揉めるケースが
存在するのも事実です。

先週は、ドライブレコーダーが事故の特定に威力を発揮する事故について
説明させて頂きました。

その中で、

「左右や後方から衝突された事故はどうするんだろう?」

という疑問の答えを保留させて頂いていました。

今日は改めて補足させて頂きます。

現在の個人向けのドライブレコーダーは、前方あるいは後方の映像を
記録しています。

車の周囲360度全ては記録していません。

もしも、側方などの死角から車両がぶつかって来た事故、
又は後方で起きた事故については、どうするのでしょう?

記録された画像には相手車両が映っていない場合があるはずです。

次の画像をご覧ください。



信号無視

映像の何処を見ても相手車両は映っていません。

分かりにくいので、この事故をCGで説明します。



再現CG映像

真上から見た事故の再現映像を見て頂ければ
事故の全体像がお分かりいただけるものと思います。

この事故は幸いにして、信号の色が争点となっていたため
きっちりと解決しました。

しかし、もしもこの交差点が信号のない交差点であるならば話は大きく変わってきます。

また、意外に思われるかも知れませんが、対向関係にあっても
車両が映らない場合もあります。

事故の形態から言えば右折車と直進車の事故となります。



サンプル映像

この事例では、ぎりぎりで相手車両がフレームに入っています。

しかし、事故の発生があと1秒遅れていれば相手車の車影は
フレームに残っていなかったでしょう!

さらに、直進車が二輪車である場合、映らないことが多々あります。

二輪車の事故だと、二輪運転手が重傷を負うなど大きな事故になって、
益々ドライブレコーダーに映像が映っていなかったら大変なことになるのでは?
と危惧される方も多いと思います。

しかし、ここで本日のワンポイントアドバイスです。

“記録された映像からあらゆる真実が導かれる”

記録映像に相手車が映っていないからと落胆しないで下さい。

ケースによっては映らない理由があるかも知れません。

しかし、記録された映像から周囲の状況を再現することが可能です。

機械にも100%はありませんが、それでもいざと言う時に真価を発揮してくれます。

                       Vol.43-2 end

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