保険とは? | 週末安全運転ワンポイントアドバイス

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「身近に潜む危険シリーズ8 歩行者その2 子供編」

保険とは? 2010/03/12

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 週末安全運転ワンポイントアドバイス
 
 「身近に潜む危険シリーズ8 歩行者その2 子供編車」
                     Vol.17-1 2010/3/12
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~ 保険とは? ~

先週、新聞を読んでいましたらとても気になる見出しを見つけました。

それは、“症状固定後も保険金を”という見出しでした。

“症状固定”という言葉を耳にしたことがありますか?

この言葉を聞いただけで自動車事故を連想される方は、
かつて事故に遭われた経験がある方だと思います。

“症状固定”とは、交通事故に遭い、傷をうけ、治療を続けて行くうちに
怪我の改善が見られなくなった場合、医師がこれ以上治療を続けても
結果が変わらないと判断した状態を言います。

今回のケースは、この症状固定を認定した時から始まる出来事について
一石を投じるものでした。

まず、現状をお伝えしますと、症状固定後に何が起こるのか?

症状固定の認定が出た段階で保険会社は保険金(治療費)の支払いを
打ち切ります。

(これは保険会社の慣例とされています)

そして被害者と示談交渉に入ります。

もちろん、この時に被害者の治療は続いています。

その治療がいつ終わるかは分かりません。

それでも示談交渉が始まるのです。

症状固定で残った障害はどうなるのか?

それは後遺症と言う形で算定されるのです。

示談の内容は、示談金に障害の程度に応じた遺失利益を算定し、
示談金に上乗せして支払うというものです。

遺失利益とは障害により将来得られるはずの収入が減った分を
補うものと考えます。

収入の補填であるにも関わらず、実際には示談後の治療費に
なってしまうのが現実です。

問題は一時的に高額な示談金をもらってもそれを上回る治療費を
払い続ける可能性があることにより示談に踏み切れない場合です。

症状固定により、治療費が打ち切られた場合は一般的には
国保で治療を継続します。

つまり、自治体が交通事故の治療費の肩代わりをしているのです。

本来、支払い責任は損害保険会社と加害者に有るにも関わらず、
自治体の公費で負担しなければならないのはおかしいというのが
自治体側の主張です。

自治体にしてみれば国保の運営は厳しく、
住民に対する負担を減らす意味合いでも肩代わり分を
損害保険会社に対して裁判を起こし、求償するという動きです。

ここで、問題を整理しますと症状固定で治療費を打ち切り、
示談交渉を行うことは保険会社の慣例であるということで
明確な根拠は無いということです。

保険会社の立場ではこの機会を逃せば延々と示談のタイミングを
逃すことに成りかねないという恐れがあります。
保険の掛け金にも影響します。

ここで一番感じることは、被害者の気持ちが本当に示談に
反映されているのかと言うことです。

被害者が受ける肉体的、精神的、金銭的苦痛は我々が
図りしれないものであるということです。

この問題は今後、マスコミに取り上げられていくことと思います。

今週はスタートからヘビーな話題を提供してしまいましたが、
本題につきましては先週に引き続き、歩行者事故を取り上げてまいります。

歩行者と言いましても今週は子供が関係する事故について
ピックアップしたいと思います。

では具体例は明日、お伝えします。

                       Vol.17-1 end

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