「車の機能シリーズ10 EVカー編」
EVカーの発進は軽やか? 2010/06/19
■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
週末安全運転ワンポイントアドバイス
「車の機能シリーズ10 EVカー編」
Vol.30-2 2010/6/19
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■
~ EVカーの発進は軽やか? ~
昨日はEVカーのバッテリーについてお伝えしました。
今日は、バッテリーと並ぶEVカーの基幹であるモーターについてお伝えします。
当たり前の話ですが、EVカーにはエンジンがありません。
エンジンがあるのは、ハイブリッドカーです。
ハイブリッドとは2つ以上の異質なものを組み合わせるということで、
車の場合はエンジンとモーターを指しています。
このエンジンが無い車がEVカーとなるのですが、エンジンが無いため
走行中のCO2の排出量はゼロで、究極のクリーンカーと呼べるものです。
ところで、みなさんはモーターだと力が弱くてスタート時は
もたつくのではないかと思っていませんか?
次の数値をご覧下さい。
最大トルク「ネット」 (N・m [k・gfm] / rpm) |
|
---|---|
三菱 i(軽自動車) | 57 [5.8] / 4,000 |
三菱 iMiEV | 180 [18.4] / 0 ~ 2,000 |
Glant 1800 | 172 [17.5] / 4,000 |
上段は、iMiEVのガソリン車版i(軽自動車)で、中段がiMiEV、
下段がGlant 1800cc(普通車)の最大トルクを列挙したものです。
ここで注目すべきは、iMiEVの最大トルクです。
数値をご覧下さい。
iMiEVの最大トルクはiの実に3倍、Glant 1800ccとほぼ同等以上という優れものです!
発進時の力強さはトルク性能に依存します。
言い換えれば、軽自動車で1,800ccクラスエンジンとスタート力が同じだと言えば、
もたつくというイメージは払拭されるのではないでしょうか?
更に、先ほどの表にはまだ秘密が隠されています。
Glant 1800ccの最大トルクを良く見ますと、17.5 kgf・m / 4,000rpmと
記載されています。
つまり最大トルクが発生するのは4,000回転という高い回転で発生させているのです。
ところが、iMiEVの最大トルクを見てみると、
驚くことに18.4kgf・m / 0~2,000rpm と記載されています。
つまり、0回転の発進時から最大トルクを得ることができ、
スタート時から力強い加速を行うことが可能なのです。
EVカーの乗車体験をされた方は少ないかも知れませんが、
実は普段の生活の中でよく似た経験をされている方も多くいます。
それは電車です。
どんなに満員でも、電車は滑るように発進・加速していきます。
ガソリンエンジンは、ある程度回転数が上がらなければ最大トルクが得られませんが
モーターは最小回転数でも最大トルクを得られるために、
EVカーは見た目以上の実力を兼ね備えているのです。
但し、エンジン音などが無く、低速では滑るように走りますので生活道路で、
歩行者の横を通過する時は十分な配慮が必要となります。
これはハイブリッドカーでも一緒です。
今日のワンポイントアドバイスは、ドライバーの立場でも、
歩行者の立場でも関係することです。
“EVカー&ハイブリッドカーは、低速では知らないうちにみなさんのそばに接近してきます!”
明日もEVカーの不思議についてお伝えします。
Vol.30-2 end
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■