「車の機能シリーズ10 EVカー編」
回生ブレーキとは? 2010/06/20
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週末安全運転ワンポイントアドバイス
「車の機能シリーズ10 EVカー編」
Vol.30-3 2010/6/20
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~ 回生ブレーキとは? ~
昨日は、EVカーの最大トルクの秘密についてお伝えしました。
今日も引き続き、EVカーの不思議についてお伝えします。
まだまだEVカーには面白い秘密があります。
EVカーには変速機(ミッション)が有りません!
うそだー!と仰る方もいらっしゃるのではないでしょうか?
ちなみにシフトレバーはあります。
iMiEVでは、前進に関しては、D、Eco、Bというポジションになっています。
資料4(iMiEVパンフレットより)
基本走行はDですが、Dの中に3速、2速、1速といった変速プログラムはありません。
正に“D”だけなのです。
変速ショックのない加速は別次元の走りと言って良いのではないでしょうか?
ところで、シフトレバーのポジションに見慣れない記号があります。
“B”と書かれたこのポジションこそEVカーの真骨頂かも知れません。
ここでちょっと横道にそれますが、小さい頃を思い出して下さい。
プラモデルやラジコンといった電動自動車のおもちゃで遊んだ記憶はございませんか?
私は小さい頃から、遊ぶだけでは飽き足らず、手当たり次第分解して
仕組みを確かめていました。
特にモーターは良く遊びました。
モーターは電気を消費して動くのだから、モーターを別の力で
回してあげれば電気が作れるのではないかと考えました。
そこで直流モーターを二個用意して、軸の部分を向かい合わせにセロテープで止め、
片方のモーターに電池を繋ぎ、もう片方に豆電球を繋いだところ豆電球が光った時には
とても感動したことを今でも覚えています。
モーターという機械は、1台で二つの顔を持っています。
電力を消費もするし、他方で発電も行う、これがEVカーです。
話を元に戻しますが、この発電とは減速時にモーターが発電機となる
“回生ブレーキ”機能が搭載されているのです。
この回生ブレーキ機能とは、アクセルを離した時にタイヤが回転していれば
発電を行って、バッテリーに充電できる機能です。
この回生ブレーキ機能を最も強く働かせるポジションが“B”と言うポジション
なのです。
この“B”というポジションは山道を下っている時に
利用する“エンジンブレーキ”と同様の機能で、下りの速度を抑えながら
回生ブレーキの機能を最も効率よく発揮できるものです。
EVカーにはもう一点、大切なポイントがあります。
オートマ車の場合、D(ドライブ)にシフトした後、
アクセルを踏まずブレーキを離すと車はそろそろと動き出します。
クリープ現象と呼ばれるものですが、EVカーの場合は同様の設定でも
車は動かないと言われました。
iMiEVの“D”ポジションはあくまで、アクセルを踏んだ時だけ進む
という仕組みだそうです。
ここに、EVカーの落とし穴がありそうです。
今日のワンポイントアドバイスです。
“初めてEVカーに乗る時はガソリン車との違いを十分理解すること!”
エンジン音が無い状態でクリープ現象が起こらないと、
車が起動しているのかしていないかの判断ができない可能性があります。
起動状態でアクセルペダルに足がかかってしまい、車が急発進し、
駐車場では突然飛び出したり、渋滞時には追突してしまうなど、
思わぬ事故に逢う危険性があります。
ここをしっかり覚えて頂ければEVカーを安全にお楽しみ頂けるものと思います。
それでは、また来週をお楽しみに!
Vol.30-3 end
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