「車の機能シリーズ1 ブレーキ編」
車は急に止まれない! 2010/04/10
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週末安全運転ワンポイントアドバイス
「車の機能シリーズ1 ブレーキ編」
Vol.21-2 2010/4/10
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~ 車は急に止まれない! ~
昨日はド自動車保険の話が盛り上がり、
肝心のブレーキについてお伝えすることが出来ませんでした。
今日は、最初からブレーキについてお話します。
タイトルの“車は急に止まれない!“なんて、誰でも知っている標語ですが、
いざ事故に直面すると本当に止まらないものです。
みなさんにとって、車の性能で大切なことは何ですか?
カー雑誌の多くは、エンジン性能について論評します。
排気量が何ccで馬力が何pW、トルクが何N・mといった
出力性能を重視します。
でも、車はどんなに早く走れても止まれなければ意味が無いわけです。
“いかに安全に止まれるか?”が大切になります。
ここで、皆さんにお聞きします。
速度が2倍になったら停止距離も2倍でしょうか?
答えはNO!です。
まずは、動画1をご覧下さい。
この動画1の結果を図に示したものが下の図1です。
この図1は、40Km/h、50Km/h、60Km/hの速度から、急制動(減速度0.7G)
で減速した場合の制動距離(停止距離)をコンピュータでシミュレーション
したものです。(事故解析用ソフトPC-Crash使用)
40Km/hの場合が9mで、60Km/hは約20mです。
速度は1.5倍なのに、制動距離は2倍以上です!
これは何故なのか?
答えは、「制動距離は速度の二乗に比例して伸びるため」です。
つまり、60Km/hの場合は、40Km/hの1.5倍ですから、
1.5倍×1.5倍×9m(40Km/hの制動距離)≒20mという具合です。
図2をご覧下さい。
40Km/hの2倍の速度80Km/hでは制動距離は4倍の36m、
3倍の速度120Km/hの場合の制動距離は実に9倍の81mとなります。
速度が増せばますほど、車は止まるまでの距離が飛躍的に長くなります。
安全運転のポイントは
「何が起きてもすぐに止まったり、回避できる速度で走行すること」です!
ところで、ブレーキを踏んだ時、速度は一定の割合で落ちていくものだ
と思っていませんか?
図3をご覧下さい。
上の図は、時速40Km/hから急制動を行った時の速度と移動距離を示した図です。
速度13Km/h、移動距離8m付近まではほぼ直線的に速度が落ちていますが、
最後の1mの速度は、それ以前に比べて急激に落ちています。
急制動を行った場合、最初は速度が思ったよりも落ちないと感じ、
もうだめだと思った時にグッと制動がかかり停止するのです。
万が一の事態が起きた場合には、諦めずにブレーキを踏み続けることが大切です。
今日は急ブレーキと停止距離についてお伝えしました。
明日は今日のテーマの続きとして“ABS”についてお伝えします。
Vol.21-2 end
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